前歯のガタガタと過蓋咬合(ディープバイト)を上下左右の第一小臼歯を抜歯して表側矯正で矯正歯科治療した症例

2種類のセファロのレントゲン写真から分析を行いましたが、骨格的には異常がなく、上下前歯の角度が外側へ傾斜と過蓋咬合（ディープバイト）が見られました。

上下前歯のスペース不足による叢生を伴う過蓋咬合（ディープバイト）と診断致しました。

上下の前歯のスペース不足の改善には、上下左右第一小臼歯の4本の抜歯が必要と説明しました。

上下のガタガタと開咬を治すには、永久歯のスペース量がかなり必要でしたので、上下左右第一小臼歯を抜歯していく方針で説明させていただき、同意を頂き治療をスタート致しました。

上下の歯列の奥歯のズレも大きいために抜歯スペースのやりとりがシビアであったため、歯科矯正用アンカースクリューの使用の提案もさせていただきました。

治療後半では、緊密な咬合獲得のために、顎間ゴムの使用も説明させていただきました。

主訴であったガタガタも抜歯をしたおかげでとてもきれいに改善され、患者様も満足されております。

とても協力的な患者様でしたので、治療後半で使用した顎間ゴムもしっかり使っていただき、緊密な咬合も獲得することができました。

治療中のプラークコントロールもしっかりされており、虫歯のリスクを低く保ちながら治療完了を迎えることができました。

リテーナーに関してもしっかり使用してもらっており、今のところ、後戻りの傾向もみられません。

• 歯を動かす動的治療：26か月
  （アポイント間隔1～1.5か月）
• 後戻りを観察する保定治療：24か月
  （アポイント間隔3～6か月）

1. 歯根吸収の可能性
   矯正治療前後で歯根が短くなる可能性があります。
2. 歯槽骨吸収・歯肉退縮の可能性
   矯正治療前後で歯を支える骨の吸収する可能性があります。それと共に歯肉が下がってしまったり、ブラックトライアングルの可能性があります。
3. 顎関節症のの可能性
   矯正治療中に顎関節症になる可能性があります。
4. プラークコントロール不良による虫歯や歯周病の可能性
   矯正治療中の徹底したブラッシングと定期健診をお願いしております。

八重歯はよく初診カウンセリングでご相談される歯並びです。

八重歯は犬歯1本分のスペース不足はあるために、永久歯を並べるスペースを作るために抜歯をする可能性が高いです。非抜歯にて無理に並べてしまうと、上下の前歯が外側に傾斜してしまったり、骨の外側に歯を並べることになり、歯肉退縮を起こしてしまうために、安易な非抜歯矯正は、後悔してしまうことがありますので、慎重に診断する必要があります。
当院ではCBCTを用いて、骨の中で歯を並べるように診断の段階で確認をして、矯正治療をさせて頂いております。また、今回のケースでは、下顎の右側に2番目と3番目の歯がくっついてしまっている癒合歯がありましたので、並べる際には、なるべくパッと見たときに目立ちにくい歯並びにさせていただきました。

非抜歯か抜歯の診断が矯正治療後の後戻りの度合いも変わってきます。無理な治療計画にならない様にセファロレントゲン、CBCTを用いて慎重にプランニングしていくことが重要になります。