『妊娠中、これから妊娠予定の方の矯正治療について注意すべきこととは?』
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『妊娠中、これから妊娠予定の方の矯正治療について注意すべきこととは?』
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今回は妊娠中や妊娠のご予定がある方の矯正歯科クリニックの選び方や矯正治療の方法について説明していきます。
【目次】
③妊娠中、出産後のお口の中の衛生状態は悪くなりやすいので、様々なおそうじツールできれいに保つ
④出産予定日の1ヶ月前には装置のトラブルがない状態にしてもらう(装置はハズさなくても良い)
➀まず最初に妊娠中、出産後に通院しやすい病院を初診カウンセリングのときに選ぶことです。
初診カウンセリング(最初が肝心です)
【クリニック立地偏】
通常の場合で同じことが考えられますが、駅近、バス停近くまたは駐車場の近くにあるクリニックのほうが、妊娠中、出産後はとても便利ですし負担が少ないです。駅近、バス停近くですと妊婦さんがDoor to Door で歩く距離が少なくなり、負担を極力少なくすることができます。妊婦さんは体調の変化が著しいために極力ストレスになる満員電車や長距離の歩行はなるべく避けたいものです。駐車場の完備の矯正歯科や近くに大きな駐車しやすいパーキングがあること(大きなパーキングの駐車券をクリニックが負担してくれるとなお良いでしょう)とても便利です。
妊婦にとって交通の便は必要条件なので立地は要確認です
☑ターミナル駅や中枢になる町のクリニックのほうがよい!?
また、ターミナルの駅やその地域でも中枢になるような町で他の医療機関や施設にも比較的容易にいける範囲にあることもとても便利です。不妊治療をされている方の場合には、排卵のタイミングを診るために排卵直前は頻繁に婦人科に行く必要があります。矯正歯科のクリニックと婦人科のクリニックが近ければ、うまくアポイントが調整できれば2つのクリニックに1日で通院することがきとても便利です。妊婦さんや出産後の方も同様のことが言えます。また矯正歯科では、矯正をメインになることが多いため、虫歯や歯周病の併発した場合には、一般歯科にも通院しなくてはなりませんのでその面でもターミナルの駅やその地域でも中枢になるような町のクリニックを選ぶのは便利かもしれません。
ターミナル駅は便利なことが多いです
【クリニック施設編】
☑エレベーターはあったほうがよい!?
階段はあまり多くない方が良いでしょう。エレベーターがあるのが必須だと思います。お腹が大きくなった妊婦さんになると階段を登るのは非常に大変になります。エレベーターも4人以上が乗れるくらいの大きさのものが良いと思います。あまり狭いとお腹が大きい妊婦さんにとってはリスクが高い空間になります。
☑クリニックの全体的な空間が広いほうがよい!?
入り口と待ち合い室はなるべく広い方が良いです。お腹が大きくなってくるとスペースは今までよりも取ることになります。完全予約制で基本待つことは少ない病院の方が良いですし、待つ場合にもゆったりとしたスペースを確保できるクリニックの方がストレスは少ないです。また、トイレに関しても圧倒的に広い方がよいです。安定期に入るまではつわりがとてもひどい場合にはトイレが必須です。ゆったりとしたトイレで落ち着くのがとても大事になってきます。
ユニット(診療のイス)周りも広い方が良いです。お腹が大きくなってくると座るときに広いほうが明らかに座りやすいです。まだクリニックを決めてらっしゃらない方は初診カウンセリング時にチェックしておくと良いでしょう。出産後に子供さんも一緒に来られる時には小さいイスなどがおけるスペースがあることや子供さんが診療中に待っていられるようなグッズ(タブレットやおもちゃ、絵本)などが豊富にあるほうが良いと思います。当院でも椅子に座ってタブレットで子供さんが待っていられるようにしております。
歯科用のイス(ユニット)周りが広いことは妊婦さんにとってはとても重要です。初診カウンセリング時に要チェックすると良いでしょう。
クリニック内の匂いも意外に大事になってきます。つわりのひどい時期はちょっとした匂いで嘔吐しやすくなったりしますので、強い匂いのあるクリニックは、要注意です。また匂いがどうしても強い場合には、スタッフさんに相談してみるのも良いと思います。
つわりはとても辛いですので、ちょっとしたことでも嘔吐反射がでるので、少しでもストレスが少ない病院が良いでしょう。
【診療編】
まず、汚れがついている場合にはお掃除してくれるクリニックが良いと思います。矯正中のお口の衛生状態は日頃のホームクリーニングが大前提ですが、どうしても取り残しが出てきてしまいます。その際には矯正治療のアポイント枠内でワイヤーを外した時点でエアーフローやスケーラーで汚れを取ってくれるクリニックが良いと思います。矯正治療のみで、お口の汚れにノータッチの病院ですと、汚れが残ったままの矯正治療になってしまいますし、お口の中が汚れているという気分になり、妊婦さんにとってもあまり良いものではありません。また汚れに関してノータッチの矯正歯科ですと矯正治療中の虫歯に関しても見逃す可能性もあるので、注意が必要です。以前虫歯を矯正歯科で発見された場合のブログを書かせてもらいましたが、詳しくは以下のブログをご覧ください。
☑今は口腔内スキャナーがある病院のほうがよい!?
昔ながらの歯医者さんの型取りはつわりの時期にはしんどいです。吐き気がある状態でさらにお口の中に何か入ることは苦痛です。また元々歯科医院で嘔吐反射がある方に関しては、さらに厳しいものになると思います。そのためお口の型取り以外の方法である口腔内スキャナーで光スキャンで型取りができる装置がクリニックにあるかも初診カウンセリングで聞いてください。口腔内スキャナーは最近クリニックで普及してきている装置で口腔内のカメラのような装置でデジタルの型取りをすることができます。当院ではi tero 5Dを導入しており、インビザラインなどのマウスピース矯正や裏側矯正で使用して患者さんの負担軽減に努めております。
i tero 5D(アライン社)
☑とても重要!スケジュールの変更がきくクリニックがよい!?
不妊治療で卵子を採取する治療をされている方は、卵子採取の時期がシビアなためスケジュールの変更が起きる場合がありますので、その辺のスケジュールの融通がきく病院のほうが良いと思います。また妊娠中や妊娠後も体調の変化は著しいものです。毎回のスケジュールが変更になることもあるので、その辺のことを理解してくれるクリニックだと安心して治療を受けることができます。
☑インビザラインなどのマウスピース矯正もやっている病院のほうがよい!?
最近では『インビザライン』という装置はだいぶ知れ渡ってきましたが、マウスピース矯正の主流の装置になります。この装置はマウスピース本体と歯につける粒々(アタッチメント)で構成されており、1日20時間以上で7日間~2週間でマウスピースを交換し使用してもらい矯正をすることができます。つわりの時はしんどい可能性がありますが、それを乗り越えると、インビザラインの来院期間は最大で2か月から2.5ヶ月と通常の矯正治療が月1回と比べると通院頻度1/2と少ないので、圧倒的に楽だと思います。ただし注意しなければならないポイントとして、インビザラインは矯正歯科専門ではない先生も扱えますが、うまく治らずトラブルになることがありますので、安全にやるのでしたら、矯正歯科専門クリニックでやられることをお勧めいたします。なぜトラブルが多いかも以下のブログで掲載しておりますので、見てみてください。
②妊娠する前に外科的な処置はすべて終えておく
妊娠すると基本的にはレントゲンや麻酔の注射は、緊急性がない限りは胎児に影響する可能性があるため進んではやられませんし、ドクターサイドもリスクになってしまうので、極力は積極的なことはしないようになります。
そのため以下のことは妊娠される前にすべて早めに終わらせておくことが必要です。
【X線撮影】
CT.各種レントゲン写真(パントモ、セファロ、デンタル)
3DCTレントゲン
パントモレントゲン写真(お口の全体のレントゲン写真)
【外科処置】
矯正のための便宜抜歯
親知らずの抜歯(上下左右の計4本)
歯科矯正用アンカースクリュー
歯周病の外科的処置
【歯科用麻酔が必要な処置】
虫歯の処置
歯肉ポケットのお掃除(歯肉縁下)
歯肉退縮が著しい場合には、矯正前に遊離歯肉移植術が必要です
事前の虫歯の治療処置はとても大切です
当院では患者様のご希望に応じて、矯正のための便宜抜歯、親知らずの抜歯、歯科矯正用アンカースカリューを約3ヶ月以内で終わらせることも可能です。また、虫歯や歯周病などに関しては、矯正の精密検査後に一度かかりつけの一般歯科で、すべてチェックしてもらうようにしておりますので、その時点で治療を必要な処置は即時処置依頼させてもらっております。
矯正治療のための便宜抜歯
矯正前に親知らずは抜歯しておくのが望ましいです。
日頃から歯科の定期検診にいかれている方は、特に急に治療というのことにはならないですが、そうではない方に関しては矯正治療を始めるタイミングで一度虫歯と歯周病の検査をしてみるのが良いと思います。妊娠されてからですと、通院頻度や診療時の身体的負担もあるとおもいますので、早めの受診をお勧め致します。
歯周ポケット検査
③妊娠中、出産後のお口の中の衛生状態は悪くなりやすいので、様々なツールできれいに保つ
妊娠中や出産後は、つわりや体調の変化などによりお口の中の衛生状態を保つ事が難しくなる傾向があるので、要注意です。
また妊娠すると女性ホルモンの変化(エストロゲンの増加)で、増殖する歯周病原細菌がいるために妊娠性の歯肉炎になりやすいです。そのため歯ブラシは、とても重要になってきます。妊娠中に歯周病になっている人は低体重および早産のリスクが歯周病ではない人に比べて7倍になるという結果がありますので妊婦さんは注意が必要です。
妊娠されていない状態でも矯正治療のホームケアは日々の努力が必要です。妊娠中は、妊娠性歯肉炎を発症しやすい状態ですので、日々のホームケアに加え、クリニックでの専門的なクリーニングも必要になります。妊娠中の定期的なクリーリングの目安としては『月1回』がベストだと思います。妊婦さんの体調の変化もありますので、あくまで目安です。ご自身の体調と相談しながら、無理せず続けられる範囲でやっていくのが1番大切でと思います。頑張りすぎて来れなくなってしまうのも本末転倒になってしまいます。
ここでは、妊娠中、出産後の矯正治療のホームケアに役立つ様々なツールをご紹介致します。
◎ドルツ(Panasonic)
ジェットウォッシャーといわれ、水流を強力に噴射することにより汚れを取ることができます。矯正治療中のホームケアとしても使用することができます。短時間で大きな汚れを落とせますので、妊娠中や出産後に便利です。
注意事項としては、頑固な汚れは歯間ブラシなどでしっかりお掃除するかクリニックでのクリーニングでしか落とせない場合がありますので、一般歯科への定期検診は必須になります。
◎チェックアップジェル
歯磨き後に使用するフッ素入りのジェルになります。このジェルを寝る前に全体的にお口の中に歯ブラシで馴染ませるのですが、これをするのとしないのでは、朝起きた時のお口のネバネバ感が明らかに違います。かなりの確率でフッ素が効いているので虫歯の進行や発生を抑えることができます。毎日のホームケアに使ってみてください!インビザラインなどのマウスピース矯正の際にも虫歯予防にとして、使用する前にチェックアップジェルを使用してもらっております。
◎ワンタフトブラシ
筆型の歯ブラシになりますが、この歯ブラシは非常に優秀です。ブラケット近くや歯肉縁の細かい箇所を一筆書きで5〜10回でお掃除すると汚れがしっかりとれます。矯正をやるやらないにかかわらず、1本あるととても便利です。
◎フロススレッダー
ワイヤー矯正の場合には、通常のフロスの仕方だと、ワイヤーが邪魔をして、歯と歯の間の汚れをうまく取ることができないです。そのためフロススレッダーで、ワイヤーの下にフロスを通してあげて歯と歯の間をお掃除していきます。
歯と歯の間をしっかりお掃除するために必須のツールです。
ワイヤーの下にフロスを通すためにフロススレッダーを使用します
◎歯間ブラシ
ワイヤー矯正のワイヤーの下をお掃除をするには最低限必要なものです。選ぶポイントは小さすぎず、毛束が多いものが良いです。理由としてはあまりに小さいとしっかり汚れに当たらないので効率が悪くなります。また毛束が多い方がひとみがきでたくさんの汚れをとることができます。
④出産予定日の1ヶ月前後には装置のトラブルがない状態にしてもらう(装置はハズさなくても良い)
出産前の1ヶ月はお腹もだいぶ大きくなってきて妊婦さんへの負担が増しますので、矯正装置のトラブルは最小限にする必要があります。そのため矯正歯科クリニックの担当医には出産予定日を事前に早めに伝えておきましょう。
安心して出産に臨むために事前の準備が大事になります。
また出産後も体調の変化と赤ん坊のお世話でなかなかすぐには、矯正歯科クリニックには来れないと思いますので、出産前の1ヶ月にトラブルがない状態にしてもらいましょう。『また万が一トラブルになった場合にはどうしたらよいか?』も念のため確認しておいた方が良いでしょう。
不安は体に良くありません。万が一のことを考えて準備することは、安心して出産することにもつながります。ただでさえ大変な出産という一大イベントに少しでも良い形で望めればと思います。
町田駅前矯正歯科 渡邉
町田の矯正歯科・マウスピース矯正(インビザライン)、裏側矯正(舌側矯正)、部分矯正
町田駅前矯正歯科:
https://machida-kyosei.com/
電話番号:042-732-5775
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