『矯正中の飲酒(アルコール)について』
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『矯正中の飲酒(アルコール)について』
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今回のブログは矯正中の飲酒(アルコール)について説明していきたいと思います。矯正装置の性質上矯正治療中は歯に矯正装置がつくことにより、粘着性のものを避けていただいたり、硬い物を前歯で噛み切らないようにするなど食生活においていくつか制限がでてきます。
では、矯正治療中の飲酒(アルコール)についてはどうなのかと気になる方も多くいらっしゃるかと思います。今回は矯正治療中の飲酒(アルコール)についてお伝えしていきます。
【目次:もくじ】
②矯正装置をつけた直後、調整をした直後は飲酒を避けた方が良い
④マウスピース矯正であれば飲酒後、歯磨きをしてからマウスピースを装着する
⑤お酒によってPH値に幅があり、PHが低いお酒は歯が溶けやすい。
➀矯正治療中に飲酒をしても歯の動きに影響はない
大前提として、矯正治療中に飲酒をしても歯の動きに影響を及ぼさないので、問題なく飲酒できます。
またアルコールを摂取することで歯が動きやすくなるという情報があるようですが、そういった事実はありません。
飲酒自体には問題はないですが、矯正治療のタイミングによっては痛みが出る可能性があるため、様子をみて痛みがででいないタイミングであれば問題なく飲酒していただけます。
②矯正装置をつけた直後、調整をした直後は飲酒を避けた方が良い
矯正装置をつけた直後や調整をした直後3日から1週間は特に痛みがでやすいので飲酒は避けた方が良い期間になります。
具体的には矯正で歯が動く際に歯の周りの組織からプロスタグランジンE2という痛み物質が出てくために痛みを感じますが、お酒で心拍数が上がり、血流が増加すると拍動痛が出てくることもありますので、調整した後すぐの飲酒は避けた方が良いでしょう。
患者様によって痛みの程度は異なりますが、鎮痛剤を服用される程の痛みがでる方もいらっしゃるので飲酒のタイミングには注意が必要にです。鎮痛剤と飲酒は相性が良くありません。具体的にはアルコールの分解に肝臓が使われるために、鎮痛剤の分解に手が回らずに効き過ぎて中枢神経を抑えてしまう場合があるので注意が必要です。また通常の飲酒でも悪酔いしてしまう場合にがあります。
調整後の痛みがピークが落ち着いた後の飲酒であれば問題ありません。
③赤ワインなどの色が濃いアルコールには注意する
赤ワインやサングリアなどの色の濃いお酒はワイヤーをとめているクイックというゴムが着色してしまいます。
歯やクイックの着色が気になる方、あまり着色したきない方は色の濃いアルコールは避けた方が良いでしょう。目安としては、白い洋服やハンカチなどの落としてしまってお水で落としにくいものは着色しやすいものになります。
着色を気にされるようであれば、白ワインや日本酒など色がないアルコールを選択されるのがおすすめです。
また、色の濃い食事や飲み物を摂られる際には前もってお水を飲んでおき、乾燥した状態で色の濃いものを口にしないようにしましょう。
以前のブログで記載させていただきましたが、個人的にはストローなどを利用して喉の奥で飲むようにする方法もおすすめです。うまく色素が染まらない様に飲むには舌の力が必要になります。以下のブログに掲載しております。
④マウスピース矯正であれば飲酒後、歯磨きをしてからマウスピースを装着する
アルコールは糖分を含んでいるものが多く、無色透明のものであっても糖分が入っていればむし歯の原因になります。飲酒後は必ず歯磨きをしてからマウスピースを装着してください。
あまりにもマウスピースを外している時間が長いと後戻りを起こしてしまい、再度マウスピースを装着する際に痛みを伴います。
飲酒の場が長時間になりそうであれば、終盤や合間に化粧室などで歯磨きをし、マウスピースを装着してアルコールを控え、お水を飲むにも方法のひとつです。
アルコールを摂取し、正常な判断が難しいとは思いますが、可能な限りで矯正治療も気にかけていただくと治療もスムーズに進みます。
また、アルコールを摂取すると口腔内が乾燥しやすくなり、唾液の潤滑が悪くなります。元々マウスピース矯正は唾液の自浄作用の効果が本来よりも見込めないため、アルコール摂取とマウスピース矯正のデメリットが重なることにより、むし歯になる危険性が増します。
マウスピース矯正をされている方でアルコールを摂取される方は通常よりもより歯磨きを徹底するよう意識してください。
⑤お酒によってPH値に幅があり、PHが低いお酒は歯が溶けやすい。
歯を溶かしてしまう要素にPHがあります。矯正中にPHが5.5以下のにしてしまうお酒は、歯を溶かしてしまうので、そのことも頭に入れておく必要があります。毎日毎日PHが低いお酒を継続して飲んでしまうと、歯が溶ける原因になります。
酸によって歯が溶けてしまった状態を酸蝕症といいます。またブラケットを付けている場合には、ブラケット周りが汚れがたまりやすく溶けやすくなります。プラークコントロールが悪い方のブラケットを外した時にブラケットの形に白く初期う蝕になっている光景は見ることがあります。
これを治すにはコンポジットレジンの詰め物をして改善することは可能ですが、虫歯にならないように矯正で歯並びを治してきたのに矯正治療中に虫歯を作ってしまうのは本末転倒になってしまいますので、注意が必要です。
【お酒のPH値(低いほど歯を溶かしやすく上位にあります)】
白ワイン:2.3~3.4 (アルコール度数:5~14%)
赤ワイン:2.6~3.8 (アルコール度数:12~16%)
梅酒:2.9~3.1 (8%)
シャンパンワイン:3.2 (12%)
ハイボール:3.6 (7%)
マッコリ:3.8 (7%)
ビール:4.0~4.4 (5%)
日本酒:4.3~4.9 (15%)
ウイスキー:4.9~5.0 (43%)
麦焼酎:6.3 (35%)
この表を見てみるとアルコール度数とPHは関係がないことがわかります。そんなにアルコール度数が高くなくても、梅酒のようにPHが低く歯を溶かしやすいお酒があるので注意が必要です。
しかし基本的には、飲酒後に歯ブラシしっかり行うことにより、酸蝕症やう蝕のリスクを減らすことができます。だらだら長い時間お酒を飲み続けるのは要注意です。
矯正治療中の飲酒自体は、痛みが出るタイミング以外であれば、歯の動きに影響はないので全く問題はありません。
ただし、飲酒後はむし歯になりやすいため、矯正治療中にむし歯にならないように歯磨きを徹底し、口腔内を清潔にするよう意識をする必要があります。
また、色の濃いアルコールは着色しやすいので着色が気になるようであればアルコール飲料の色が薄いもの、または白いものを飲むようにし、色が濃いものを飲むようであればお水を合間に挟みながら飲み、飲み終わった後は歯磨きもしくはうがいをすると多少着色することを抑えられます。
また、矯正装置が歯に直接つくワイヤー矯正で、歯磨きが難しくなるため歯を清潔に保つ自信がないようであればご自身で取り外しのできるマウスピース矯正を検討されることをおすすめします。
どの場合であっても飲酒後の口腔ケアが重要になり、それによって飲酒のリスクが軽減できます。
【まとめ】
☑矯正治療中の飲酒は問題なくできる
☑装置のついた後や調整後など痛みのでるタイミングは避ける
☑着色が気になるようであれば赤ワインなどの色の濃いアルコールは避ける
☑マウスピース矯正を検討する
☑お酒の種類によって歯の溶けやすさに差がある
☑飲酒した後は、むし歯になりやすいため早めに歯磨きをする
歯科衛生士 K (町田駅前矯正歯科) :ブログ作成・編集
渡邉 博人 日本矯正歯科学会認定医/町田駅前矯正歯科医院長:ブログ監修
町田の矯正歯科・マウスピース矯正(インビザライン)、裏側矯正(舌側矯正)、部分矯正
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