『インビザラインの弱点とは?』
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『インビザラインの弱点とは?』
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記事作成および編集:I(矯正専門衛生士)
監修:渡邉 博人 日本矯正歯科学会認定医/町田駅前矯正歯科医院長
インビザラインはマウスピース型の矯正装置で、目立ちにくく、自身で取り外し可能な装置です。
ワイヤー矯正と比べて患者さん自身の負担が少ないので、近年話題になっています。
インビザラインは上記のようなメリットばかりだと思われがちですが、デメリットもあります。
今回はインビザラインについて、その特徴を解説していきたいと思います。
【目次】
①インビザラインとは
米国アライン・テクノロジー社が1997年に
マウスピース型矯正治療「インビザライン・システム」を開発し、
1999年に米国の矯正歯科医師を対象に提供を開始しました。
透明で目立ちにくく、取り外しが可能な
新しいアプローチの歯科矯正「インビザライン・システム」は、
現在、世界100カ国以上の国々で提供され、
これまでに900万人を超える患者様が治療を受けています(2020年10月時点)。
日本では少し遅れて、2006年になって治療が導入され、
現在ではマウスピース矯正の主流になりました。
インビザラインは1日20時間以上装着し、
1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換することで徐々に歯を動かしていきます。
加えて、マウスピースを歯にしっかりと固定し圧力をかけるための
白い突起物(アタッチメント)を接着することで、治療計画通りに動かしていきます。
②インビザラインのメリット
インビザラインには従来のワイヤー矯正と比較すると多くのメリットがあります。
⑴装置が透明で目立ちにくく、違和感が少ない
インビザラインは透明で目立ちにくい装置であるため、
周囲に矯正治療中であることがわかりにくいです。
そのため、ワイヤーによる矯正治療に抵抗があって、なかなか治療に踏み出せない方に最適です。
またマウスピースが薄いため、ワイヤー矯正特有の装置の異物感がなく、
慣れるとほぼ違和感がありません。
⑵自分で取り外しが可能
マウスピースは自分で取り外しが可能です。
食事と歯磨きの際に外すので、ワイヤー矯正のような食事制限や歯磨きが
難しくなることはありません。
⑶通院回数が少ない
インビザラインは上記のように1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換していくため、
治療開始時にすべてのマウスピースをお渡しします。
ワイヤー矯正では4〜6週に一度来院する必要がありますが、
インビザラインでは1〜2ヶ月に一度の来院で済みます。
⑷金属アレルギーの方にも対応できる
インビザラインはポリウレタン製であり金属を使用していないため、
金属アレルギーの方でも安心して矯正治療ができます。
⑸治療のシミュレーションができる
インビザラインはコンピューターによる3Dシミュレーションを使用し、
治療開始から終了までの治療計画を正確に立てることができます。
③インビザラインのデメリット
インビザラインは前述したメリットばかりを取り上げられがちですが、デメリットも当然あります。
⑴1日20時間以上装着しなければならない
インビザラインは装着している間のみ矯正力がかかるため、
食事と歯磨きの時以外、1日中装着しなければいけません。
装着時間が規定より少ないと治療が予定通りに進みません。
またマウスピースが合わなくなってしまうため、再作製が必要になり、治療期間が長くなってしまいます。
⑵歯に何もつかないわけではない
インビザラインはほとんどの場合、歯にアタッチメントを接着していきます。
アタッチメントを接着することにより、マウスピースと歯をしっかりと密着させます。
加えて、歯をより動かしやすくします。
⑶歯並びによって治療が難しい場合がある
インビザラインにも不得意な治療があります。
例えば歯が通常よりも目に見えてる部分が少ない場合、
他の歯と同じくらいの長さまで出す(挺出)治療をしなければなりません。
インビザラインは歯に被せるように装着するため、
歯の目に見えてる部分を短くする治療は得意ですが、長くする治療は不向きです。
⑷虫歯の発生や着色する可能性がある
歯磨きをしないままマウスピースをはめると
汚れが定着して虫歯になってしまう可能性があります。
インビザラインをやりながら虫歯の治療は可能ですが、
治療後に歯の大きさや形が変わってしまうとマウスピースがはまらなくなってしまいます。
その場合、マウスピースの再作製が必要になるため、治療期間が長くなってしまいます。
マウスピースをはめたまま飲んでいい飲み物は”水のみ”です。
砂糖が含まれているジュースなどはマウスピースの中に入り込んで虫歯になってしまう可能性があります。
また、お茶やコーヒー、ワインなどは歯に着色しやすくなってしまうため、控えたほうが良いでしょう。
⑸神経・筋防御機構が起こることがある
顎関節症の治療で最も広く行われているのが、マウスピースを使用するスプリント療法です。
マウスピースをはめることによって、咬む力をすべての歯で均等にし、顎関節に偏った力がかかるのを防ぎます。
そうすることで、徐々に下顎の位置と関節内部の構造が安定し、顎関節症の改善に繋がります。
ですが、上記の方法では歯並びに悪影響を及ぼす可能性があります。
スプリント療法で顎の位置を安定させると、それまで噛み合わさっていた上下の歯が噛み合わなくなり、
一部分だけ最初に強く噛んでしまう(早期接触)ようになります。
それを避け、しっかり全体で噛むように下顎を無意識に動かすことを神経・筋防御機構といいます。
インビザラインでも上記のようなことが起こりうる可能性があります。
以上のことを理解することで自分の歯並びにあった矯正治療を選択できます。
★まとめ★
①インビザラインとは1997年に米国アライン・テクノロジー社が開発したシステムで、
世界100カ国以上の国々で提供され、これまでに900万人を超える方が当システムによる治療を受けています。
②インビザラインのメリットは装置が透明で目立ちにくく、取り外しができるので食事や歯磨きがしやすいです。
また、通院回数が少なく、金属アレルギーの方でも安心して治療できます。
治療のシュミレーションもできるため、治療計画を正確に立てることができます。
③インビザラインのデメリットは1日20時間以上装着しないと再作製しなければならなくなり、
治療期間が長引いたりします。
また、歯を動かすためにアタッチメントを接着しなければなりません。
歯並びによって治療が難しいことがあります。また、管理を徹底しなければ虫歯や着色することがあります。
マウスピースをはめることにより、顎関節への負担が減りますが、
上下の歯が咬み合わなくなることがあります。
当院ではインビザラインで矯正治療をしている方が多数いらっしゃいます。
お気軽にご相談ください。
町田の矯正歯科・マウスピース矯正(インビザライン)、裏側矯正(舌側矯正)、部分矯正
町田駅前矯正歯科:
https://machida-kyosei.com/
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