『大人の矯正治療で注意すべきこととは?』
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『大人の矯正治療で注意すべきこととは?』
町田駅前矯正歯科 医院長 渡邉 博人(日本矯正歯科学会認定医)
昔から矯正治療は、子供時にしかできないなどの迷信が言われてきましたが、実際には当院でも大人の矯正治療の割合が8割と多いです。これらの迷信には、過去の矯正医や歯科医が大人の矯正治療で起きたトラブルなどが時間を経てそのような迷信になっていったのではないかと思っています。それでは、大人の矯正治療において、気をつけることとは、どのようなことなのでしょうか?矯正認定医として臨床の中で感じることを述べていきたいと思います。
【目次:もくじ】
大人の場合には、成長期の子供さんよりも歯の動きが少しゆっくりなイメージがあります。論文等でも、初期の歯が動き始めるスピードは、若年齢の方の方が早いという結果が出ております。
実際の臨床でも、子供さんと大人の歯の動きを比較すると子供さんの方がワイヤー矯正、マウスピース矯正に対する動きは良い感じがします。
だからといって、大人の矯正ができないかと言われるとそうではなく、大人の方でも十分歯は、動きますので、心配はいりません。
もし、歯をもう少し積極的に動かしたいなどのご希望があれば歯の動きを活性化をする加速装置(オーソパルス、アクセルデントなど)があります。ある論文では、50%歯の動きが早くなるとの報告もでております。
矯正治療をすると個人差はありますが、子供でも大人でも、多かれ少なかれ、歯肉が退縮する傾向があります。昔から、すでに多くの論文等で矯正治療による歯肉退縮については、報告されてきました。
実際には、ほとんどわからないくらいの歯肉退縮もあれば、もともと歯茎が下がっていたり、歯肉の厚さが薄いタイプでは、歯肉が大きく、下がってしまって、それらを改善するための処置が必要になる場合があります。
歯茎が下がってしまうと、基本的には自然には復活しません。特に大人の矯正では、子供の矯正と異なり、骨の代謝が若い頃のように活発ではないために、歯肉退縮になりやすい傾向があります。
もし歯肉退縮が起きてしまった場合には、歯肉退縮が目立たないように、歯を少し削って、スペースを閉じて、あげたり、歯肉を口蓋から持ってきて、歯肉移植をしたりする対処法があります。
歯茎が下がるということは、その下部組織である歯を支えていく骨も下がるということになります。
厳密にお話しすると歯を支えている骨が下がるので、その上の歯肉が下がるというこというのが、正しい説明になります。歯肉の下にある骨(歯槽骨)が下がってしまう原因は、細菌感染によって起こる歯周炎、一部に極端な力がかかってしまってしまう外傷性咬合、矯正力によるものがあります。
矯正治療によって、個人差はありますが、歯の根も少し短くなります。
矯正治療で、歯根が、顎骨の硬い部分(皮質骨)に当たったりするようなことがあると、歯の根っこは、削れてしまいます。それ以外にも歯の動きの骨代謝の反応によって歯根が短くなります。
特に何度も矯正治療をすると毎回の治療で少しずつ根の長さが短くなっていきます。
そのため、個人的には、人生で矯正治療は、1回にすべきだと考えています。歯を残すための矯正治療により、歯根吸収が進んで、最終的に歯が失われてしまうのは、意味がありません。
歯根吸収に関しても個人差が大きく、また歯根の形態によってもその吸収度合いが変わってくるそうです。特に歯根吸収が起きやすい歯は、上顎切歯と言われております(McFaddenら、多数の論文があります)。だからと言って大人の矯正治療ができないわけではなく、リスクをしっかり把握して、歯根に無理のない矯正治療を行えば、ベネフィット(患者様の利益)は、得られます。
矯正治療は、子供でないとできないというのは、大人の矯正治療が、子供に比べて注意するべきことがあるとの裏返しで、歯肉、歯槽骨、歯根に起こるメカニズムとリスクを考慮した治療は可能です。ご自身が矯正治療が可能かどうかは一度矯正歯科の初診カウンセリングを行ってみては、どうでしょうか?
『何度もやる矯正は、必ず歯周組織にダメージが残ります。』
矯正は、1回目で確実に終わらせて、後戻りをしないように管理をしていくことがとても大切です。
町田の矯正歯科・マウスピース矯正(インビザライン)、裏側矯正(舌側矯正)、部分矯正
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