『抜歯3日後に激痛がするのはなぜ?』
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『抜歯3日後に激痛がするのはなぜ?』
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記事作成および編集:Y(矯正専門衛生士)
監修:渡邉 博人 日本矯正歯科学会認定医/町田駅前矯正歯科医院長
親知らずや矯正治療で小臼歯を抜歯した後、歯茎に痛みを感じる場合があります。
抜歯した後に生じる歯茎の痛みは通常1〜3日で治ります。
しかし、痛みが治るはずの3日目に激痛を感じる方がいます。
今回は抜歯後3日目に激痛を感じる原因と対策について解説します。
【目次】
抜歯した後の歯茎は1ヶ月ほどで治ります。
また、歯茎の中にある骨は抜歯した後、半年〜1年ほどで完全に再生し、穴が塞がります。
抜歯後の歯茎が治癒していく過程は以下の通りです。
抜歯当日「血餅(けっぺい)が形成される」
抜歯した後の歯茎は中の歯槽骨が露出した状態になっています。
その後、血が溜まり「血餅」と呼ばれる血の塊が形成されます。
この血餅がかさぶたの役割を果たし、傷口が治癒する間に歯槽骨を守ります。
抜歯後3〜4日「上皮化が始まる」
抜歯後3〜4日ほどで抜歯した歯茎の周囲から上皮化(歯茎の再生)が始まります。
上皮化は歯茎が再生し始める段階であるため、とても柔らかく弱い状態です。
この時から傷口が治り始めるため、痛みが和らいできます。
抜歯後1週間「肉芽組織に変化する」
抜歯後1週間ほどで血餅が肉芽組織に変化します。
肉芽組織とは傷が治る過程で見られる組織のことで、毛細血管と細胞成分が多く含まれています。
肉芽組織は血餅より強く抜歯した歯茎に定着するため、
ここまでくれば血餅が取れて骨が露出する可能性は低くなります。
抜歯後3週間〜1ヶ月「骨が再生し始める」
抜歯後3週間〜1ヶ月ほどで肉芽組織が結合組織へ変化していき、骨の再生が開始します。
結合組織とは上皮や神経、骨などの組織と組織をつなぐ組織であり、
これによって血液の運搬がさらに促進されて骨が再生し始めます。
抜歯後半年〜1年「抜歯した穴が完全に埋まる」
抜歯後半年〜1年ほど経過すると歯茎や骨が完全に出来上がり、歯茎の穴が完全に埋まります。
骨組織が形成し、始めの未熟な状態から骨の密度が増すことで徐々に成熟し硬くなっていきます。
完全に骨が回復するとレントゲン写真で骨の状態を確認しても、
抜歯した部分が分からないこともあるくらいになります。
抜歯後に感じる痛みは通常1〜3日で治ります。
しかし、抜歯後3日目に突然激痛を感じる方がいます。
この場合、ドライソケットになっている可能性が高いです。
ドライソケットとは、なんらかの原因で抜歯した部分の穴に血が溜まらず、
下の骨が露出してしまっている状態のことです。
歯茎の下の骨が露出したままになってしまうと直接刺激が加わり、
細菌感染してしまうため激痛を感じます。
ドライソケットになると激痛の他に抜歯した穴から悪臭がすることがあります。
ドライソケットになってしまう原因は、頻繁なうがいや外的刺激、喫煙などにあります。
ドライソケットになってしまうと自然治癒することはほとんどありません。
そのまま痛みを長期間放置してしまうと、細菌感染した骨が壊死してしまい、骨を削る処置が必要になる場合があります。
また、抜歯の傷跡が完全に治らない可能性もあるため、放置せずに歯科医院へ相談しましょう。
上述した通り、抜歯後3日目に激痛を感じる原因としてドライソケットが挙げられます。
ドライソケットにならないための対策は以下の3つです。
❶うがいを強くしたり、頻繁にしたりしない
抜歯した後にお口の中で血が滲んで気持ち悪さを感じるため、
何度もうがいをしたくなると思います。
また、お口の中を清潔に保とうと強めにうがいをしてしまうこともあると思います。
しかし、これらの行為をしてしまうと抜歯した所に形成した血餅が流れてしまいます。
すると、骨が露出してしまいドライソケットになる可能性が高くなるため、
抜歯した後は優しくうがいしましょう。
❷抜歯した所を舌や指で触らない
元々歯があった所が急になくなると、気になって舌や指で触ってしまいがちですが、
なるべく触らないようにしましょう。
舌や指で抜歯した所を触ってしまうと、その刺激で血餅が剥がれてしまう場合があります。
歯ブラシの時も抜歯した所はなるべく触らず、その周囲を優しく磨きましょう。
❸抜歯後の喫煙は控える
タバコに含まれるニコチンは血管を収縮し、血流を悪くする作用があります。
そのため、抜歯後に喫煙をすると歯を抜いた歯茎に血が溜まりにくくなり、
血餅がなかなかできないことがあります。
抜歯後2、3日は喫煙を控えるようにしましょう。
上記のことに気をつけていてもドライソケットになる可能性があります。
痛みがいつまで経っても治らなかったり、激痛を感じたりしたら
すぐに抜歯をした歯科医院に連絡しましょう。
①抜歯後当日に血餅ができ、3〜4日で上皮化します。
1週間ほどで血餅が肉芽組織に変化して、約1ヶ月ほどで歯茎の中の骨が再生し始めます。
抜歯して半年〜1年ほどで抜歯した穴が完全に埋まります。
②抜歯後3日目に激痛を感じる原因は、ドライソケットの可能性が高いです。
ドライソケットとはなんらかの原因によって血餅がなくなり、
骨が露出することで直接刺激が加わり、細菌感染を起こして痛みを感じます。
③ドライソケットにならないために、抜歯後はうがいを強くしたり、
頻繁にしたりしないようにしましょう。
また、抜歯した所に刺激を与えず、2、3日は喫煙を控えるようにしましょう。
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