『歯ぎしりはエラボトックスで治せる?』
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『歯ぎしりはエラボトックスで治せる?』
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記事作成および編集:Y(矯正専門衛生士)
監修:渡邉 博人 日本矯正歯科学会認定医/町田駅前矯正歯科医院長
近年、歯ぎしりやそれに伴う頭痛、肩こりに悩まされる方が増えています。
歯ぎしりは無意識にやってしまっていることが多く、睡眠時やふとした時に気づいて
朝起きたときに顎が痛かったり、周囲の人から指摘されたりすることで気づく場合があります。
歯ぎしりは顎や歯に負担がかかっているため、放置せずに早めに解決した方が良いです。
歯ぎしりの治療法として、
顎の周りの咬筋という筋肉にボトックス注射を打つと改善することがあります。
今回は、歯ぎしりはエラボトックスで治せるのか、原因や弊害も含めて解説します。
【目次】
歯ぎしり(ブラキシズム)とは、覚醒時または睡眠中に
上下の歯を無意識に強く噛み合わせたり、こすり合わせたりする習癖のことです。
単なる“ギリギリと音を立てる行為”にとどまらず、
歯・顎関節・筋肉・全身に多面的な悪影響を及ぼします。
主に「グラインディング(横擦り)」「クレンチング(噛み締め)」「タッピング(カチカチ噛む)」の
三型に分類され、就寝時に生じるものは睡眠関連運動障害の一種です。
発症にはストレスや不安などの心理的因子、噛み合わせ不良、歯列不正、
アルコール・カフェイン摂取、薬剤、副鼻腔炎、遺伝的素因など複数要因が絡み合い、
単一の原因で説明できません。
症状は歯のすり減り・破折、知覚過敏、顎関節痛、咬筋肥大、起床時の頭痛や肩こり、
睡眠の質低下、さらには歯周病の進行やインプラントの早期脱落まで多岐に及びます。
多くは自覚に乏しく、家族の指摘や歯科検診での咬耗痕、エナメルクラック(亀裂)、
頬粘膜の圧痕、強い咬筋の張りなどから歯ぎしりの疑いが浮上します。
早期に対策すれば合併症を防ぎやすいが、放置すれば顎関節症や大規模な修復治療に
多大な時間と費用がかかるため、違和感を覚えたら早めに歯科医へ相談することが重要です。
統計的には、日本の成人の約8〜15%が睡眠時ブラキシズムを示し、
成長期の子どもや更年期の女性ではさらに高率と報告されています。
持続的な筋緊張は交感神経を刺激し、熟睡感の低下や日中の集中力低下を招く点もあるため
対策が必要です。
従来の歯ぎしりに対する歯科での治療法は就寝時にスプリント(マウスピース)をはめたり、
入浴時に咬筋のマッサージを行ったりするしかありませんでした。
就寝時にスプリントをはめると上下の歯が擦れないため、
歯への直接的ダメージは軽減しますが、歯ぎしりの力は変わらないため
筋肉や顎関節への負担はかかります。
そこで、歯ぎしりに対して注目されているのが
「エラボトックス(咬筋ボトックス)」による治療法です。
咬筋に対してボツリヌス毒素を注射し、筋肉の緊張を和らげることで歯ぎしりの力を弱めます。
エラボトックスの効果として以下の2点が挙げられます。
・咬筋の緊張を緩和
ボトックスは筋肉の過剰な動きを抑える作用があるため、咬筋の過剰な力が軽減され、
歯ぎしりの強さが抑えられます。
・顎やフェイスラインの改善
副次的な効果として、咬筋の張りが和らぐことでフェイスラインがスッキリし、
小顔効果を感じる人もいます。
ボトックス治療は歯ぎしりの力を弱める対症療法であり、
原因そのものを解決するものではありません。
効果は3〜6か月ほどで徐々に薄れ、定期的な施術が必要です。
また、筋力低下により一時的に噛みにくさを感じる場合もあります。
顎関節症やかみ合わせに問題がある場合は、歯科医や専門医との連携が重要です。
歯ぎしりに悩んでいる方は、ボトックス治療を一つの選択肢として検討する価値がありますが、
必ず医療機関で専門的な診断を受けた上で、適切な治療方法を選ぶようにしましょう。
①歯ぎしりとは、無意識に歯を強く噛みしめたり、こすり合わせたりする癖のことです。
特に睡眠中に起こることが多く、歯や顎に負担をかけ、放置すると歯の摩耗や顎関節の痛み、
頭痛などの原因になることがあります。
②歯ぎしりの治療法としてエラボトックスが有効です。
咬筋に対してボツリヌス毒素を注射し筋肉の緊張を緩和することで歯ぎしりの力を弱めます。
また、筋肉の張りが和らぐことでフェイスラインがスッキリし、小顔効果を感じる人もいます。
③ボトックスの効果は一時的で、通常は3〜6か月程度で効果が薄れてきます。
継続的な治療が必要になる場合があります。
根本原因(ストレスや噛み合わせの問題など)を取り除く治療ではないため、
歯科医師や専門医との相談も重要です。
町田の矯正歯科・マウスピース矯正(インビザライン)、裏側矯正(舌側矯正)、部分矯正
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