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『インビザラインで失敗や後悔をする原因と対策について:失敗する原因5つ』

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『インビザラインで失敗や後悔をする原因と対策について:失敗する原因5つ』

最近では一般の方にも『インビザライン』という言葉が浸透して、マウスピース矯正の認知度は日に日に高まっております。しかし、その反面Google検索では『インビザライン』と入力すると『失敗』『後悔』『辛い』『痛い』などのワードがSuggest機能で検索されてきております。今回は『失敗』『後悔』の原因と対策:失敗する原因5つについて説明していきます。『辛い』『痛い』についても順次ブログにて掲載していく予定です。

 

 


 

【インビザラインの失敗と後悔の原因】

インビザラインによる治療の失敗し、後悔するケースに至ってしまった原因を説明していきます。

☞失敗例➀

『マウスピースの使用時間が少なく、歯がちゃんと動かなかった』

 

マウスピース矯正装置(インビザライン)の使用時間は最低20時間以上になります。これを守らない場合には、基本的には歯はしっかり動いてくれません。ワイヤー矯正の装置であれば、24時間着いているのでずっと力がかかっておりますので、自然に動いてくれます。マウスピース矯正(インビザライン)の使用時間の20時間以上というのを具体化すると残りの4時間で歯ブラシ、食事をすることになります。朝食30分~45分、昼食約1時間、夕食1時間15分から1時間30分で食事だけで3時間、残りの1時間で毎食後の歯ブラシなどのメインテナンスの時間になります。そう考えるとそこそこタイトな時間管理をしなければ治療はうまくいきません。またマウスピース矯正(インビザライン)の欠点として、1度マウスピースの適合が悪くなるとその歯の動きはほぼ止まります。どんどんマウスピースを新しいものに変えてもその歯だけが取り残されてしまいます。

 

【対策】

使用時間は20時間以上は守って使用するのが最低限のルールになります。ご自身で1日の生活スタイルを具体的に円グラフなどにして実際に使えるかをイメージしてみると良いと思います。当院では、マウスピース(インビザライン)が日常的に使えるか不安な方にはマウスピースの無料サンプルを作製させていただき、大丈夫であればそのままインビザラインの治療に進むようにしております。

 

 


 

☞失敗例②

『マウスピース矯正(インビザライン)で上と下の歯並びは良くなったけど、咬み合わなくなってしまった。また、そのリカバリーのためのワイヤー矯正はその病院ではやっていなかったので困ってしまった』

 

マウスピース矯正(インビザライン)の弱点として、上下の咬み合わせがつけづらい場合はあります。それは、上下共にマウスピース(上顎と下顎:各0.5mmのマウスピースの厚さ)が介在しているために、ぴったり歯同士で咬み合わせが作りづらいのです。通常のワイヤー矯正治療だと、歯同士が当たった状態の咬み合わせで調整できますので、どこの歯を動かしてうまく咬み合わせを作っていくかを診断できます。そのため、マウスピース矯正(インビザライン)しか対応していないクリニックで治療を行うと、あとのリカバリー治療(ワイヤーや他の補助装置を使った治療)ができないので、咬み合わせを治すことができなくなります。最近このようなケースが増加しております。当院でも低価格のマウスピース矯正装置を使い矯正はしたものの、咬みづらく、上下の歯並びは良くなったけれども、ワイヤー矯正はやってくれないことがほとんどで、咬み合わせは以前よりも悪くなっているご相談が初診カウンセリングで増えております。患者さんの方はある程度費用はかけてきて咬み合わせが悪くなると非常につらい状態になります。それこそマウスピース矯正に対して『失敗』『後悔』という思いになってしまいます。

 

 

【対策】

マウスピース矯正(インビザライン)を行う病院に行く場合には、ワイヤー矯正の熟練した矯正専門医がいるかどうかの確認が必要です。また一般歯科の場合には矯正医が常勤でいることは少ないので、どのくらいの日数矯正医がいるのかも確認が必要です。1番確実なのは、インビザラインをたくさん治療している矯正専門医(日本矯正歯科学会認定医)の先生が常勤でいる矯正専門クリニックだと思います。しかし矯正専門クリニックでもマウスピース矯正(インビザライン)を扱っていないクリニックもあるので、ある程度初診カウンセリングの聞き込みが必要です。

 


 

☞失敗例③

『元々インビザラインの適応症ではなかったが、やってしまって結局うまく治っていないので他の矯正歯科専門のクリニックでワイヤーの矯正治療で再治療をしている。』

 

マウスピース矯正治療(インビザライン)はすべての症例で適応なのではありません。適応症があります。その適応症を最初から間違ってしまうと失敗してしまいます。しっかりその適応症を見極められる先生でないと失敗する可能性がでてきます。実際のインビザラインの適応症と禁忌症の分類が日本矯正歯科学会のガイドラインで記載がありますので、確認してみると良いと思います。

日本矯正歯科学会公式ホームぺジ:https://www.jos.gr.jp/guideline

【対策】

失敗例②にも関係しますが、しっかりとインビザラインで治療可能な症例かを判断できる症例数とインビザラインでうまく治らないところをワイヤー矯正でカバーできる臨床能力が必要になります。ホームページで検索する基準の具体的な資格としては日本矯正歯科学会の認定医が一番わかりやすいと思います。

 


 

☞失敗例④

『インビザラインで矯正スタートしたが顎関節症になってしまい、マウスピース矯正を断念してワイヤー矯正に変更した』

 

インビザラインの厚さは上が0.5㎜、下が0.5㎜です。そのため上下にマウスピースを装着すると合計で1.0mm高くなります。そうすると奥歯自体の高さが高くなるので、顎関節に負担が出てくる方がでてきます。具体的には面長や開咬(オープンバイト)の方は顎に負担がかかりやすい骨格系(ハイアングル)であるのでインビザライン途中に顎関節症を発生することがあります。このような骨格系の方は通常の矯正治療においても顎関節症を誘発しやすいです。海外の学術論文においてもハイアングルの顎に対する負荷が大きくなることは証明されております。実際に私の患者さんでもハイアングルケースの方の矯正中に顎が痛くてどうしようもない方がいらっしゃいました。その方は結局、顎に症状が出ているときは矯正治療をお休みしながら治療を進めて最終的には治療を終了することができました。

【対策】

対策をしては面長や開咬(オープンバイト)の方は顎に負担がかかりやすい骨格系(ハイアングル)を判断できる能力をもっている先生であることが前提になってきます。また顎の関節の形をレントゲン上で診断してくれる先生であることも大事になります。矯正の分野で骨格系をしっかり判断するには横顔の頭蓋骨のレントゲン写真(セファロ)を分析し数値として出すことによってわかります。そのためクリニックにセファロレントゲン写真が常備されているかも判断基準になると思います。このような骨格系の方で、どうしてもインビザラインで矯正したいという方の場合には、のちのち必ずワイヤー矯正が必要になりますので、担当医がワイヤーを扱えるかをしっかり確認する必要があります。

 

 


 

☞失敗例⑤

『インビザラインで矯正スタートしたが、治療終了する頃に歯茎がとても下がってしまった』

 

通常矯正治療を行うと大小の差はありますが、歯肉が下がる可能性(歯槽骨吸収と歯肉退縮)があります。正常な歯肉と骨の状態であれば、歯肉が下がったとしても許容範囲でありますが、歯周病だったり、インビザラインの歯の動かす方向を間違ってしまうとさらに歯肉が下がってしまいます。歯槽骨吸収と歯肉退縮は大きく下がってしまうと改善するのが非常に難しくなりますので注意が必要です。

 

【対策】

まず歯周病対策です。歯周病と矯正治療の相性は最悪ですので、歯周病の方が炎症があるうちに矯正治療を行うと必ず骨が痩せてしまいます。そのため矯正治療を始まる前に一般歯科で歯周病の検診と治療を行ってから矯正治療を始めていくべきです。またインビザラインの治療の設計図の段階で無理に顎の骨よりも外側に動かそうとすると確実に歯肉退縮が出てきてしまいますので、歯と骨について扱っている先生の方が安心です。矯正歯科専門の先生はこの辺のことは熟知していますので、矯正歯科専門の先生が良いと思います。以前お話にもでてきたセファロレントゲンからも判断することができますし、欲を言えば、CT(3次元で骨と顎の関係をみれるレントゲン)がクリニックにあるとさらに安心できると思います。

監修:町田駅前矯正歯科 医院長

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