『セルフライゲーションブラケットとは?』
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『セルフライゲーションブラケットとは?』
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『セルフライゲーションブラケットとは?』
記事作成および編集:Y(矯正専門衛生士)
監修:渡邉 博人 日本矯正歯科学会認定医/町田駅前矯正歯科医院長
矯正装置といえば銀色の金属を歯に装着するため、目立ってしまうイメージがあると思います。
また、ワイヤーで歯を動かしていくため、痛いのではないかという声も聞くと思います。
歯科矯正の分野では患者様が治療していく上で快適に過ごせるようにするため、
装置の開発が進んでいます。
今回は効率的に治療が進み、なおかつ痛みが少ない
『セルフライゲーションブラケット』について解説します。
【目次】
①セルフライゲーションブラケットとは
従来の矯正装置は歯の表面に矯正用ブラケットを専用の接着剤で装着し、
そこに矯正用のワイヤーを通して、ブラケットとワイヤーをモジュール(小さな固定用ゴム)や
結紮線(細い固定用ワイヤー)で結紮(固定)します。
従来のブラケットでは結紮した際にワイヤーがブラケットに強く押し付けられてしまうため、
大きな摩擦が生じます。
矯正治療において摩擦力が大きな障害になります。
歯を動かすために摩擦力よりも強い力が必要になるため、
歯が動きづらかったり、痛みが出やすかったりする場合があります。
一方、セルフライゲーションブラケットはブラケットに専用のシャッターやクリップが付いており、
結紮の必要なくワイヤーを固定することができます。
そのため、ワイヤーとブラケットの間に隙間ができ、大きな摩擦力が生じません。
従来のブラケットに比べ、弱い力で歯を動かすことが可能になり、痛みも軽減します。
この矯正装置を用いた歯を動かす仕組みを「ローフォース・ローフリクション」といい、
ブラケットとワイヤーをしっかり固定し、強く引っ張って歯を動かすという矯正治療の固定概念を
大きく覆した新しい仕組みです。
②セルフライゲーションブラケットのメリット
セルフライゲーションブラケットには従来のブラケットと比べて以下のメリットがあります。
❶弱い力で効率的に歯を動かすことが可能
前述の通り、セルフライゲーションブラケットはブラケットとワイヤーの摩擦力が小さいため、
弱い力で効率的に歯を動かすことができます。
弱い力で歯を動かしていくため、治療期間が延びるのではないかと不安に思う方もいると思います。
しかし、セルフライゲーションブラケットは従来のものと比べて摩擦力が小さい分、
歯がスムーズに移動するため治療期間は20〜30%軽減します。
❷痛みの軽減
セルフライゲーションブラケットは従来のブラケットに比べて
弱い力で歯を動かすことができるため、矯正治療中の痛みが軽減します。
痛みの感じ方は人それぞれですが、
セルフライゲーションブラケットは大きな痛みを感じることが少ないです。
❸歯根吸収のリスクを軽減
セルフライゲーションブラケットは無理な力をかけないため、
歯周組織にかかる負担を軽減します。
その結果、矯正治療を始めるにあたって起こりうるリスクの一つである
歯根吸収の発生を軽減します。
❹一回の診療時間を短縮
従来のブラケットでは来院ごとにゴムやワイヤーの付け外しがあるため、
診療時間が40〜60分かかります。
しかし、セルフライゲーションブラケットは結紮の必要がなく、
シャッターの開け閉めだけでワイヤーを付け外すことができるため、
診療時間を短縮することが可能です。
③セルフライゲーションブラケットのデメリット
セルフライゲーションブラケットは従来のブラケットに比べてメリットが多いですが、
デメリットもあります。
❶治療費がかかる
セルフライゲーションブラケットは従来のブラケットより
専用のシャッターやクリップが付いていて少し複雑な構造であるため、
装置代が割高になります。
❷従来のセラミックブラケットに比べて目立ちやすい
従来のセラミックブラケットは全てセラミックで作られているため、審美面で優れています。
しかし、セルフライゲーションブラケットは一部が金属で作られているものもあり
若干目立ちやすくなります。
当院では見えにくい奥歯のみ、セルフライゲーションブラケットを使用し、
前歯は通常のセラミックブラケットを装着します。
❸カラーゴムの使用不可
セルフライゲーションブラケットは結紮の必要がないため、カラーゴムの使用もできません。
カラフルなゴムで矯正治療を楽しみたいという方には従来のブラケットを装着していただく必要があります。
★まとめ★
①セルフライゲーションブラケットとは従来のブラケットと比べ、
ワイヤーとブラケットをゴムや結紮線で固定せず治療を行う事が可能なブラケットです。
ワイヤーとブラケットを固定すると生じていた摩擦が抑えられて、
歯の移動がスムーズになって弱い力で歯を動かせるので、
痛みが軽減したり、治療期間が短くなったりすると言われています。
②セルフライゲーションブラケットは弱い力で効率的に歯を動かすことが可能であり、
治療中の痛みや歯根吸収のリスクを軽減するというメリットがあります。
また、結紮の必要がないため、一回の診療時間を短縮することが可能です。
③セルフライゲーションブラケットは従来のブラケットと比べて複雑な構造をしているため、
装置代が割高になるというデメリットがあります。
また、一部金属でできているものもあるため、少し目立ちやすくなります。
従来のブラケットではカラーゴムを使用することが可能ですが、
セルフライゲーションブラケットは使用できません。
町田の矯正歯科・マウスピース矯正(インビザライン)、裏側矯正(舌側矯正)、部分矯正
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